ポゼッションかハイプレスか|2021 年に縦に速いサッカーが主流と見られた背景

この記事のまとめ

  • ポゼッションを重んじるスタイルと、ハイプレスで縦に速く攻めるスタイルは、長く対立してきました。2021 年当時の本部のブログは、ハイプレスの縦に速いサッカーが主流だと見ていました。
  • ハイプレスは、高い位置でボールを奪い、相手ゴールまでの距離を短くして、素早く攻めるという考え方です。
  • 本部のブログは、流行は移り変わり、当時の主流がいつまで続くかは分からないと述べていました。

ポゼッションで押し切るのか、ボールを奪って縦に速く攻めるのか。指導者なら一度は悩むテーマです。「自分たちのスタイル」を信じたい気持ちと、結果が出ないときの迷いは、どのチームにもあります。

この記事では、OLIVER SPORTS 本部の 2021 年 11 月 16 日のブログをもとに、2 つのスタイルの違いと、当時の流れをまとめます。

2 つのスタイルの違い

観点ポゼッション(ティキタカ)ハイプレス(縦に速いサッカー)
ボールの扱い短く正確なパスを重ねて保持する相手陣内でボールを奪いに行く
攻め方相手が空けたスペースへ、間を通すパスで攻撃を始める奪ったらすぐに、相手ゴールへ向かう
代表的な指導者(2021 年当時)グアルディオラ(FC バルセロナ)。全盛期のスペイン代表もクロップ(リバプール)

どちらのスタイルにも、熱心な支持者がいます。本部のブログは、当時はハイプレスが流行をつくっている一方で、ティキタカは成果が出にくいことから、人気を落としつつあると述べています。そして、結果が見えないときにも、スタイルにこだわる価値はあるのかと問いかけています。

ポゼッションは過去のものか

ティキタカは、グアルディオラ監督の FC バルセロナや、全盛期のスペイン代表が成功させた戦い方です。本部のブログによると、数年前までは数え切れないほどの勝利を生んだものの、当時のサッカーでは全盛期を過ぎています。

本部のブログは、2021 年にはポゼッション重視は流行から外れたと見ています。効果が下がったのかどうかは意見が分かれるとしつつ、多くの指導者は、より直接的で速い、縦に進むサッカーを選んでいるとしています。例外として、当時もマンチェスター・シティでポゼッションを重んじていたグアルディオラ監督本人を挙げています。

また本部のブログは、意図のないパス回しとしての「ティキタカ」は好きではない、パスには明確な狙いがある、というグアルディオラ監督の発言を紹介した X の投稿(2021 年 11 月 8 日)も載せています。

ハイプレスの考え方

本部のブログは、このスタイルを広く知らしめたのが、当時クロップ監督が率いていたリバプールだと紹介しています。クロップ監督自身が「ヘヴィメタル」と呼んだ戦い方で、ティキタカに代わって注目を集め、当時はトップクラブで主流になっていたとしています。

ハイプレスは、次の考え方で成り立っています。

  1. 高い位置でボールを奪うほど、相手ゴールに近くなり、かわすべき相手が少なくなる
  2. 選手に、相手への圧力をかけ続けることを求める
  3. 全員が前に出て、相手を自陣に閉じ込める
  4. 素早い動き(切り替え)が鍵になる。奪ったらすぐ相手ゴールへ向かう

クロップ監督は 2013 年の UEFA のインタビューで、魅力的なサッカーとは、エネルギー、激しさ、速さだと語っています。サイドを変えながらパスをつなぐバルセロナのやり方を好む人もいるが、それは自分が考える美しさとは違う、という趣旨です。

縦に速いサッカーの実績

本部のブログは、縦に速いサッカーが大きな勝利を生んでいる例として、次を挙げています。

例本部のブログの説明
2018 年 FIFA ワールドカップ準決勝に進んだフランス、ベルギー、クロアチア、イングランドは、縦に速いサッカーで力を発揮した。優勝したフランスは、どの試合もボール支配率で圧倒したわけではなかったが、相手陣内での強い圧力から勝利をつかんだ
リーベル・プレート(アルゼンチン)ガジャルド監督のもと、相手に圧力をかけ続け、縦に攻める現代的なスタイル。当時はリーグの首位で、優勝に近い位置にいた
ヨーロッパのクラブ当時のバイエルン・ミュンヘンの新監督ナーゲルスマンは、高く絶え間ないプレスと縦に速い攻撃を求めていた。レアル・マドリード、マンチェスター・ユナイテッド、セビージャ、ポチェッティーノ監督の PSG も同じ方向に向かっていたと紹介

本部のブログは、これらのスタイルの違いが、当時のチャンピオンズリーグでも目立っていたと述べています。

流行は移り変わる

ティキタカは、世界のチームに広がり、サッカーの考え方と見方を変えました。けれども競技は進化を続け、先行するスタイルを抑えるスタイルが現れます。本部のブログは、当時の主流はハイプレスだが、いつまで続くかは分からないとしています。現代のスポーツでは、スタイルや戦略が生まれ、すぐに力をつけて主流になるからです。

そして、遠くないうちに新しい戦い方が現れ、競技のレベルを上げるとともに、サッカーをより美しくしてほしい、と結んでいます。

日本の現場では

4 月に新しい学年を迎える学校の部活動やクラブでは、新年度の最初に、どんなサッカーを目指すかを決める場面があります。ハイプレスを目指すなら、走る量やスプリントの回数といった負荷に、選手が対応できているかも見たい点です。自チームの練習や試合の数値を、スタイルを決める判断材料の 1 つにする使い方を、デモのご依頼の場でご紹介します。

出典

  1. この記事の原文:OLIVER SPORTS 本部のブログ「¿Possession or high press? The incessant rivalry and current dominance of the vertical game」(英語、2021 年 11 月 16 日)
  2. クロップ監督の 2013 年の UEFA でのインタビュー、およびグアルディオラ監督の発言を紹介した X の投稿(2021 年 11 月 8 日)。いずれも本部のブログが引用・埋め込んだもの

この記事について本記事は、OLIVER SPORTS 本部の公式ブログに 2021 年 11 月 16 日に掲載された記事「¿Possession or high press? The incessant rivalry and current dominance of the vertical game」の日本語版です。日本の読者向けに、OLIVER SPORTS JAPAN が要点をまとめ直し、「日本の現場では」の欄を書き足しています。記事の中の数値や製品の内容は、元の記事が掲載された時点のものです。この日本語版は 2026 年 11 月に掲載しました。日本で提供する内容や価格は、記事の内容と異なる場合があります。機能によっては、ご契約の内容で使える範囲が異なります。国内での導入と運用のサポートは、OLIVER SPORTS JAPAN が行います。掲載している画像・ロゴは OLIVER SPORTS 本部の許諾を得て使用しており、権利は OLIVER SPORTS 本部または各権利者に帰属します。OLIVER SPORTS JAPAN は、STC 株式会社が運営する日本の総代理店です。

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