この記事のまとめ
- J リーグの開幕(1993 年 5 月 15 日)は、日本のサッカーの環境を語るときの一つの区切りになります。
- 育成年代では、JFA が 2022 年 1 月に、小学校 4 年生以下の年代に応じた試合の形をガイドラインで示しました。
- 計測データは、成長の速さが選手ごとに違う育成年代で、練習量を調整する判断材料の一つになります。
同じ学年でも、体の大きさも走る速さもばらばらです。中学生のうちに背が伸びる選手もいれば、高校に入ってから伸びる選手もいます。育成年代の指導者は、そうした一人ひとりの違いを、目と経験で見極めています。
この記事では、日本の育成年代のサッカーがどう変わってきたかを、日本サッカー協会(JFA)が公開している資料で確かめたうえで、計測データを指導にどう使えるかを整理します。2023 年に OLIVER SPORTS JAPAN が掲載した記事を、2026 年 11 月に書き直しました。
日本のサッカーの変化の流れ
JFA の発信によると、日本初のプロサッカーリーグである J リーグは、1993 年 5 月 15 日に開幕しました。当初は 10 クラブで始まり、2018 年 6 月時点で 54 クラブになっていました。日本のサッカーを取り巻く環境を語るとき、J リーグの開幕は一つの区切りになります。
育成年代の取り組みでも、JFA は具体的な指針を出しています。2022 年 1 月には「JFA スモールサイドゲーム ガイドライン」を策定しました。対象は小学校 4 年生以下の年代です。JFA の説明では、年代に応じたゲーム形式を示すことで、8 人制より少ない人数にして、ボールを扱うスペースと時間の余裕を確保し、子どもたちが技術を発揮しながら楽しめるようにするとされています。
このガイドラインからは、年代に合ったゲームの環境をつくるという考え方が読み取れます。なお、このガイドラインは試合の形式についての指針で、計測データの使い方には触れていません。
育成年代でデータを使うときの考え方
OLIVER SPORTS 本部のブログ(2024 年 12 月 3 日)は、育成年代で GPS 計測を使う利点として、次の点を紹介しています。
| 観点 | 本部のブログの説明 |
|---|---|
| 負荷の確認 | 身体への負荷を計測し、疲労や過負荷の兆しをつかむ手がかりにする |
| 個別の見守り | 成長の速さは選手ごとに違うため、一人ひとりの変化を追う |
| 練習内容の調整 | 速度・加速・動きの強度の数値をもとに、練習を調整する |
| 選手の意欲 | 自分の数値を見て、目標を決めたり、仲間と競ったりする |
このほか本部のブログ(2024 年 6 月 19 日)は、サッカーのデータ分析が、得点やカードなどの基本的な記録から、GPS センサーなどを使った大量のデータの活用へ広がってきた流れを紹介しています(出典 4)。
数値を使い始める 5 つの手順
- 何のために数値を見るかを決める(例: 週の練習の量を決めたいのか、成長の変化を残したいのか)
- 見る指標を数個に絞る(例: 運動量なら距離、強度なら最高速度と加速・減速)
- 他の選手との比較より、同じ選手の変化を見る(例: 前の月と今月の最高速度を並べる)
- 数値と、指導者の観察や選手本人の感覚を合わせて判断する(例: 数値が低い日は、選手に体の様子を聞いてみる)
- 選手と保護者に、分かりやすい形で共有する(例: 順位ではなく、本人の前回との違いを伝える)
体の発育には個人差があります。数値は選手を順位づけるためではなく、その選手に合った練習の量を考えるために使います。
育成年代のクラブと OLIVER PRO
本部のブログ(2024 年 12 月 3 日)は、OLIVER PRO を、トップのアカデミーだけでなく、育成年代のクラブにも使える製品として紹介しています。また、本部のブログ(2024 年 10 月 2 日)によると、OLIVER PRO は GPS による計測と AI を取り入れたプラットフォームを備え、計測したデータを指導者・アナリスト・選手が見られるようにしたチーム向けの製品です(出典 5)。
日本の現場では
日本のクラブでは、ジュニアユース(U-15)からユース(U-18)へ上がる選手を、次のカテゴリーの指導者に引き継ぐ場面があります。同じクラブで計測を続けていれば、練習での運動量や最高速度の推移をポジションや特徴のメモに添えられ、新しい指導者は最初の数週間の練習量を考えやすくなります。選手の計測データは個人に結び付く情報なので、別の団体へ渡すときは、本人と保護者の了解を得ます。選手ごとの計測結果が並ぶ画面と推移の見え方は、デモのご依頼の際に、今の OLIVER PRO の画面でご案内します。
出典
- 日本サッカー協会(JFA)「『JFAnews』6月情報号、本日(6月21日)発売!特集は「Jリーグ開幕25周年」」(2018 年 6 月 21 日)
- 日本サッカー協会(JFA)「「JFAスモールサイドゲーム ガイドライン」を策定」(2022 年 1 月 27 日)
- 「育成年代のデータ活用(2024 年)|GPS で見る成長の数値と、ラ・マシアでの使われ方」(日本語版、2024 年 12 月 3 日)
参考:原文(英語) - 「サッカーのビッグデータの歴史|基本の記録から活用の広がりまで」(日本語版、2024 年 6 月 19 日)
参考:原文(英語) - 「OLIVER PRO のプラットフォーム|GPS と AI で見るチームのデータ」(日本語版、2024 年 10 月 2 日)
参考:原文(英語)
この記事について本記事は、OLIVER SPORTS JAPAN が 2023 年 10 月 13 日に掲載した記事を、2026 年 11 月に書き直したものです。記事の内容は書き直した時点のもので、出典に挙げた記事の数値は、それぞれの記事の時点のものです。掲載している画像・ロゴは OLIVER SPORTS 本部の許諾を得て使用しており、権利は OLIVER SPORTS 本部または各権利者に帰属します。OLIVER SPORTS JAPAN は、STC 株式会社が運営する OLIVER SPORTS の日本の総代理店です。


