この記事のまとめ
- 育成年代でも、距離・スプリント・ボールに触れた回数などの数値を計測すると、選手の成長を目に見える形で追えます。
- 本部のブログは、育成年代の計測の利点を「可能性の記録」「体の状態の把握」「プロの水準を見据えた練習」「選手のやる気」の 4 つにまとめています(2021 年 10 月 13 日時点)。
- 数値は、練習の組み立てや負荷の調整の判断材料です。
育成年代の選手は、体も技術も日々変わっていきます。今日できなかったことが、数か月後にはできるようになる。その変化を、感覚だけで追うのは簡単ではありません。
「この子は伸びているのか」「いま練習は多すぎないか」。指導者なら、一度は迷った問いではないでしょうか。
この記事では、OLIVER SPORTS 本部のブログをもとに、育成年代で計測を行う 4 つの利点をまとめます。なお、機能や画面の説明は、2021 年 10 月 13 日時点の本部のブログに書かれた当時の OLIVER(チーム向けは現在の OLIVER PRO)のものです。
育成年代でも計測が使われるようになってきた
本部のブログによると、パフォーマンスの計測は以前から必要とされてきましたが、はじめは上のカテゴリーでしか使われていませんでした。時間がたつにつれ、育成年代での計測の大切さが知られるようになり、GPS トラッカーはクラブにとって欠かせない道具になりつつあります。
育成年代では、GPS が提供する移動距離、スプリント、ボールの扱いに関わる指標(ボールに触れた回数など)などの情報が、特に役立つとされています。選手は常に体も技術も発達の途中にあります。最初の一歩を理解し、伸ばしたい目標を立て、それを計測できることが大切だからです。
育成年代で計測する 4 つの利点
| 利点 | 内容 |
|---|---|
| 1. 選手の可能性を記録する | 数値で比べられる記録 |
| 2. 体の状態を知り、ケガのリスクに目を配る | 練習の過多・不足の目安 |
| 3. プロの水準を見据える | トップの数値を見据えた練習計画 |
| 4. 選手のやる気を支える | 自分の数値をもとにした目標づくり |
1. 選手の可能性を記録する
GPS が使われる前、スタッフは選手のパフォーマンスを推測するしかありませんでした。2021 年当時は、プロを目指す選手一人ひとりについて、数値で比べられる記録を残せます。本部のブログは、この記録が次の点で役に立つとしています。
- 選手の成長のペースを知る
- 運動面とサッカー面の能力を理解する
- 生まれつきの強みを伸ばす、弱みを補うといった、個別のメニューに力を入れる
- 具体的な情報をもとに、育成年代の選手の移籍の話を進めやすくする
本部のブログには、当時 Ská FC のスポーツディレクターだった Edmilson De Moraes 氏(元 FC バルセロナ)のコメントも載っています。GPS トラッカーは「選手の取扱説明書」のようなものだといい、たとえば 15 歳の選手が 3 年後に大きなクラブへ移る場合、何年分もの記録で本人の成長を示せる、という趣旨です。
2. 体の状態を知り、ケガのリスクに目を配る
計測によって、選手は自分の体の状態を知り、伸ばせる余地を運動の面から理解しやすくなります。本部のブログが挙げる主な指標は次のとおりです。
- オーバートレーニング:選手が「安全な範囲」を超えると、ケガをしやすくなります。デバイスで計測した指標と、感じたきつさのデータを合わせると、選手が限界に近づいているかを見極める手がかりになります。
- トレーニング不足:速度・強度・練習量のデータから、ケガのリスクを高めずに負荷を増やせる余地があるかを見る手がかりが得られます。
- RPE(主観的運動強度):選手は疲労の度合いを 1〜10 の段階で入力でき、気持ちの状態も入力できます。これにより、指導者は選手の内的負荷を把握できます。
- 練習の強度:各選手が出した最大値に対して、速度と加速度の時間ごとの値から求めます。速度や加速の強度は、練習の振り返りに役立ちます。
3. プロの水準を見据える
育成年代からトップのカテゴリーに上がる時に、大きな差に直面することがあります。本部のブログによると、プロのリーグに上がってから、求められる体の水準に届いていないと気づく若手は少なくありません。
GPS のデバイスで、速度、ボールを持った距離、ボールに触れた回数といった、体とサッカーの指標が得られると、指導者はトップ選手の記録を意識して練習を計画できます。そうして、シニアに上がる頃の体の状態を、一流の大人の選手に近づけていくことが狙いです。
4. 選手のやる気を支える
競技人生の始まりでは、自信を育てることが大切です。気持ちの面の不安は、体のパフォーマンスにも表れ、将来の成長にも影響しうると、本部のブログは述べています。自信とやる気に取り組めることも、計測の利点の 1 つです。
また、スタッフがプロの技術的な指標をもとに計画を立てること自体が、選手にとっての励みになります。多くの若い選手が目指すのは、プロのサッカーだからです。日々の練習に加えて、選手が自分のパフォーマンスのデータを見られると、目標を立てられます。本部のブログは、遊び感覚で昨日の自分を超えていけると述べています。自分のプレーを意識する助けにもなります。
使い始めるときの考え方
- まず、見る指標を絞る(例:移動距離、スプリント、RPE)
- 成長の記録として、同じ指標を継続して残す
- 練習の負荷の調整や、個別メニューの検討に使う
- 選手本人にも数値を見せ、目標づくりの材料にする
本部のブログは、スポーツ科学、モバイルアプリ、ふくらはぎのスリーブに着ける GPS のデバイスを通じて、あらゆるサッカー関係者が高度な技術を使える状態にしていくと述べています。育成年代の選手の体の不調やケガについては、医師などの専門家にご相談ください。
日本の現場では
中学から高校へ、あるいはジュニアユースからユースへ。日本の育成年代では、進学のたびに環境が変わります。本人と保護者の同意のうえで、成長の記録を、進学や移籍の場面で選手の歩みを説明する材料にもできます。4 月の新年度に、学年ごとに見る指標をそろえておくと、1 年間の変化を比べやすくなります。育成年代での使い方はデモのご依頼からご相談ください。
出典
- この記事の原文:OLIVER SPORTS 本部のブログ「4 key benefits of performance monitoring in youth football」(英語、2021 年 10 月 13 日)
この記事について本記事は、OLIVER SPORTS 本部の公式ブログに 2021 年 10 月 13 日に掲載された記事「4 key benefits of performance monitoring in youth football」の日本語版です。日本の読者向けに、OLIVER SPORTS JAPAN が要点をまとめ直し、「日本の現場では」の欄を書き足しています。記事の中の数値や製品の内容は、元の記事が掲載された時点のものです。この日本語版は 2026 年 11 月に掲載しました。日本で提供する内容や価格は、記事の内容と異なる場合があります。機能によっては、ご契約の内容で使える範囲が異なります。国内での導入と運用のサポートは、OLIVER SPORTS JAPAN が行います。掲載している画像・ロゴは OLIVER SPORTS 本部の許諾を得て使用しており、権利は OLIVER SPORTS 本部または各権利者に帰属します。OLIVER SPORTS JAPAN は、STC 株式会社が運営する日本の総代理店です。


