サッカーのヒートマップの見方|イベントデータと位置データ(GPS)の違い

サッカーのヒートマップの比較を紹介する本部ブログのイメージ画像 選手・保護者

この記事のまとめ

  • ヒートマップは、選手がフィールドのどこにいたかを示す図で、元になるデータの集め方に 2 種類あります。
  • イベントデータ型は「シュート、クロス、ファウルなどのプレーの位置」から、位置データ型は「GPS などで一定間隔に計測した実際の位置」から作ります。
  • 本部のブログは、選手の実際の位置を知りたい場合は、位置データ型のヒートマップが向くとしています。

試合のあと、自分のポジションがどのあたりに偏っていたのか、気になったことはありませんか。分析の記事などで見かけることがあるヒートマップですが、同じ「色の濃淡の図」でも、元のデータの集め方によって見え方が変わります。

この記事では、OLIVER SPORTS 本部のブログをもとに、サッカーのヒートマップの 2 つの作り方と、その違いをまとめます。記事中の「OLIVER」は 2023 年当時の製品名で、当時の OLIVER(チーム向けは現在の OLIVER PRO)を指します。

サッカーのヒートマップは何のために使うのか

ヒートマップは、1 人または複数の選手がフィールドのどこにいたかを示す図です。コーチングスタッフから記者、ファンまで、多くの人が使っています。本部のブログが挙げる主な使い方は、次の 3 つです。

  • ある選手が、試合中にフィールドのどのあたりを使っていたかを知る
  • 相手の選手の位置の傾向を調べて、試合の準備をする
  • 試合後に、戦術の計画がどこまで守られたかを振り返る

ヒートマップの使い方や豆知識は、「サッカーのヒートマップとは|意味・使いみちと話題になった 3 つの事例」でも紹介しています。

イベントデータ型と位置データ型の違い

種類元になるデータ作り方
イベントデータ型シュート、クロス、ファウル、オフサイドなど、選手のプレーの記録各プレーに付けた位置の座標から、選手がいた場所を推定
位置データ型(トラッキング/ジオロケーション)GPS トラッカーなどで一定の間隔で計測した位置選手の実際の位置を並べて作図

事例で見る、2 つのヒートマップの差

1 つ目の事例:センターバック(守るゴールは左側)

センターバックのヒートマップの比較。左がイベントデータ型、右が位置データ型。守るゴールは左側
センターバックのヒートマップ。左がイベントデータ型(A)、右が位置データ型(B)。守るゴールは左側。図の出典:論文「Heatmaps in soccer: event vs tracking datasets」(本部のブログの画像)

この事例では、2 つの図が示す範囲は似ていますが、色の濃さは大きく違います。イベントデータ型では、フィールドの中央に選手が長くいたようには見えません。位置データ型では、実際にはこのセンターバックが中央にいた時間がいちばん長かったことが分かります。

図の見た目の差は小さくても、そこから読み取れる内容は変わります。このセンターバックのチームは、試合の多くの時間を相手の陣地側で過ごしていました。その結果、選手が中央にいる時間が長くなりましたが、イベントデータ型の図にはそれが表れていません。

2 つ目の事例:センターフォワード(守るゴールは左側)

センターフォワードのヒートマップの比較(守るゴールは左側)
センターフォワードのヒートマップ。守るゴールは左側。図の出典:論文「Heatmaps in soccer: event vs tracking datasets」(本部のブログの画像)

この事例は、イベントデータ型の限界がよく分かる例だと、本部のブログは述べています。イベントデータ型の図だけでは、選手がどこにいたかを読み取りにくく、試合中の位置取りやプレースタイルを考える材料にもなりにくい、という説明です。

一方、位置データ型の図からは、この選手が中央のレーンを中心に動くフォワードで、ペナルティエリアの近くで過ごす時間が長く、自陣側での位置取りはごくわずかだったことが読み取れます。

どちらの作り方が、何に向くのか

観点イベントデータ型位置データ型
作りやすさ作りやすいGPS などの計測が必要
データの量プレーが起きた地点のみ何百万ものデータ点(本部のブログの説明)
実際の位置カバーした範囲を示しにくい場合がある選手の実際の位置を反映

本部のブログは、選手の実際の位置を知るというヒートマップ本来の目的には、位置データ型が向くとしています。イベントデータ型の利点は作りやすさですが、選手がどの範囲をカバーしたかを示す点では限界がある、という整理です。

自分のヒートマップを手に入れるには

本部のブログは、2023 年当時の OLIVER で、トップレベルの選手が使うようなヒートマップを得られると紹介していました。当時の OLIVER のアンバサダーだった Aitor Puñal 氏は、Marbella FC が Segunda Federación へ昇格した Real Jaén 戦でこのデバイスを使い、次のヒートマップを得ています。

Aitor Puñal 氏が OLIVER の GPS デバイスで得たヒートマップ
当時 OLIVER のアンバサダーだった Aitor Puñal 氏の、Real Jaén 戦(Marbella FC の昇格を決めた試合)のヒートマップ

本部のブログによると、当時の OLIVER は、ヒートマップのほかに、運動能力・コンディション・サッカーに関する指標も計測できました。脚に着けるデバイスであることを生かした計測だと紹介されています。

日本の現場では

部活動や街クラブでは、試合後のミーティングで「自分はどこにいる時間が長かったか」を振り返る場面があります。ポジションの動きを、感覚ではなく位置のデータで見られると、話し合いの材料になります。今の OLIVER でどの指標を見られるかは、商品ページで最新の内容をご確認ください。個人で計測してみたい方は、選手向けの OLIVERをご覧ください。

出典

  1. この記事の原文:OLIVER SPORTS 本部のブログ「Football Heatmaps: Events vs Geolocation. Which One’s Better?」(英語、2023 年 6 月 1 日)
  2. 図の出典:論文「Heatmaps in soccer: event vs tracking datasets」(本部のブログの図に記載)
  3. 「サッカーのヒートマップとは|意味・使いみちと話題になった 3 つの事例」(日本語版、2023 年 1 月 12 日)
    参考:原文(英語)

この記事について本記事は、OLIVER SPORTS 本部の公式ブログに 2023 年 6 月 1 日に掲載された記事「Football Heatmaps: Events vs Geolocation. Which One’s Better?」の日本語版です。日本の読者向けに、OLIVER SPORTS JAPAN が要点をまとめ直し、「日本の現場では」の欄を書き足しています。記事の中の数値や製品の内容は、元の記事が掲載された時点のものです。この日本語版は 2026 年 11 月に掲載しました。日本で提供する内容や価格は、記事の内容と異なる場合があります。国内でのお問い合わせとサポートは、OLIVER SPORTS JAPAN が行います。掲載している画像・ロゴは OLIVER SPORTS 本部の許諾を得て使用しており、権利は OLIVER SPORTS 本部または各権利者に帰属します。OLIVER SPORTS JAPAN は、STC 株式会社が運営する日本の総代理店です。

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